商談の録画と議事録のフォルダ整理。保存の瞬間に置き場所が決まる作り
2026年9月12日

商談を録画して、議事録を作って、ホワイトボードも残した。1回の商談で3種類のファイルができます。この3つを、あとから探せる形で置いておくのが「整理」です。上位の記事が勧めているのは、顧客別のフォルダと、日付を入れたファイル名です。それ自体は正しいと思います。
この記事では、その一般論を短くまとめたうえで、実務でその整理が続かない理由を書きます。後半は、自分たちのツールで人が後から整理するのをやめ、保存する瞬間にツールがフォルダを決めて3種類を同じ場所に落とす作りにした中身を、実装のとおりに書きます。
上位の記事が勧めるのは「顧客別フォルダ」と「日付入りの名前」です
商談の議事録の記事は、整理についてほぼ同じことを書いています。共有フォルダを作って顧客別・案件別に分け、ファイル名に日付と商談相手を入れる(出典)。
録画データの管理に絞った記事は、もう少し細かいです。ファイル名は「日付+議題」で統一し、西暦か和暦かまで決めておく。フォルダは5階層以内に収め、部門・チーム・プロジェクトの順に切り、「02_情報企画部」のように通し番号を付ける(出典)。
どれも、ルールを決めて人が守る前提です。ルールの中身は妥当なので、ここで争うことはありません。詰まるのはルールの中身ではなく、守る場面のほうです。
実務で詰まるのは、整理する前に次の商談が来ることです
1. 録画・議事録・ボードが、最初から別々の場所に落ちる
録画はweb会議ツールの保存先に、議事録は文書として、ホワイトボードは画像として残ります。3つの出どころが違うので、1つのフォルダに集める作業が最初から発生します。 顧客別フォルダのルールは、この「集める」作業が終わったあとにしか効きません。
2. 「後で整理する」の後は、来ない
保存した直後は、それがどの商談のファイルか分かっています。翌週には、ファイル名の日付を見て思い出す作業になります。保存の瞬間が、その商談を一番よく覚えているタイミングです。 整理を後回しにするほど、置き場所を決めるコストは上がります。そして後回しの間に次の商談が来ます。
3. 名前を付けるのは、商談が終わった直後の一番余裕のないとき
録画を止めた瞬間に「ファイル名をどうするか」と聞かれると、思いつきの名前を付けます。「日付+議題」のルールがあっても、その場で議題を打ち直すのは手間です。ルールは、打たなくても守られる形になっていないと続きません。
うちは、保存の瞬間にツールがフォルダを決める作りにしました

Meetnect では、録画・議事録・ボードPDFをGoogleドライブに保存するとき、置き場所を人に聞きません。保存の処理が、次の3段のフォルダを上から順に辿ります。
会社の共通フォルダ(管理者が初回に1回だけ選ぶ)
└─ 担当者の名前
└─ 商談_{ルームID}
├─ 録画 .webm
├─ 議事録 .txt
└─ ボード .pdf
共通フォルダは、管理コンソールで管理者がGoogleのフォルダ選択画面から1回選びます。それ以降、各担当者が保存するたびに、そのフォルダの下に担当者名のフォルダ、さらにその下に商談ごとのフォルダが使われます。
ここで大事にしたのは「探してから作る」です。フォルダを作る前に、同じ親の下に同じ名前のフォルダが既にあるかをドライブに問い合わせ、あればそれを使い、無いときだけ作ります。ゴミ箱に入っているものは数えません。だから、同じ商談で録画を止めて保存し、そのあと議事録を保存し、最後にボードを書き出しても、3つは同じ末端フォルダに落ちます。 商談が別なら、予約から作ったURLは1件ごとに別のIDなので、フォルダも別になります。
保存が終わると、ドライブ上のリンクをその商談に紐づけて記録します。ダッシュボードの商談一覧から「議事録」「ボード」のボタンでそのまま開けるので、フォルダを掘って探す場面がそもそも減ります。 フォルダは、一覧の外から探すときの保険という位置づけです。
ファイル名は「タグ_日付_ルーム名_時刻」を先に出しておきます
録画の保存名は、ツールが既定の名前を先に用意します。形はこうです。
商談録画_20260912_ABC商事_定例_1430
先頭が会社の管理コンソールで決めたタグ(未設定なら「商談録画」)、次に日付(YYYYMMDD)、次に商談を作ったときに付けたルーム名、最後に時刻(HHMM)です。保存のときにこの名前が入った状態で確認が出るので、そのまま確定すればルールどおりの名前になり、変えたければその場で打ち直せます。空のまま確定しても既定名に戻ります。ファイル名に使えない \ / : * ? " < > | の9文字は _ に置き換えます。
ルームIDではなくルーム名を使っているのは、IDがサーバーの自動生成で、人が見ても何の商談か読めないからです。ルーム名は60字までを使い、名前が付いていない商談のときだけIDに戻します。
議事録は、録画の名前の末尾に _議事録 を足した .txt です。録画と議事録が同じ名前で並ぶので、フォルダの中で対になります。ボードのPDFは {ルームID}_ボード_{日付} です。
上位の記事が勧める「日付+議題」は、この既定名の中に日付とルーム名として入っています。打たなくても守られる形にした、というのが答えです。
フォルダが作れなくても、保存は止めません
整理のためにフォルダを作る処理は、失敗することがあります。録画の保存では、共通フォルダが未設定のとき、フォルダを探す・作る処理が途中で失敗したとき、指定したフォルダへの保存がドライブに拒否されたとき。この3つのどれでも、Myドライブの直下に保存して処理を続けます。 指定フォルダへの保存が拒否されたときは、フォルダ指定を外してもう一度だけ送ります。それでも通らなければ、録画はその端末にダウンロードします。
理由は単純で、整理されていない録画は探せば見つかりますが、保存されなかった録画は二度と戻らないからです。整理と保存のどちらを優先するかで、保存を取りました。録画は数百MBあって作り直せないので、落とし先を3段階に用意しています。
議事録とボードPDFは、共通フォルダが未設定ならMyドライブの直下に置き、ドライブへの保存が失敗したときは端末にダウンロードします。こちらは録画より小さいので段階は少なめですが、どの経路でも最後は端末にファイルが落ち、作ったものが消えることはありません。Googleでログインしていない場合はドライブ自体が使えないので、3種類ともその端末にダウンロードされます。会社の設定で自社サーバー保存に切り替えている場合は、s/{会社}/{商談}/{種類}/{時刻_名前} という鍵で同じ構造を作ります。保存先の選び方については web会議の録画の保存先はどこがいいか に書きました。
取引先ごとの束ねは、フォルダではやりません
上位の記事は「顧客別フォルダ」を勧めていますが、うちのフォルダは担当者→商談の2段で、取引先の階層がありません。
取引先名をフォルダ名にすると、「株式会社ABC」と「ABC」で別のフォルダができます。表記が1文字違うだけで分かれるので、顧客別フォルダは作った瞬間から割れ始めます。取引先で束ねる仕事は、ドライブのフォルダではなく、ツール側の取引先名で受けています。 商談を作るときに入れた取引先名で過去の商談を引けるようにしてあり、表記ゆれの扱いは 取引先名の表記ゆれをどこで名寄せするか に書きました。
フォルダは商談ごとに1つ。取引先ごとの一覧はツールの画面で。役割を分けることで、フォルダ名に表記ゆれを持ち込まずに済んでいます。
Meetnect はブラウザだけで動くオンライン商談ツールです。録画・議事録・ボードPDFは、初期設定のまま使えば、指定したGoogleドライブの「会社/担当者/商談」のフォルダに同じ商談ぶんがまとまり、商談一覧からリンクで開けます。この記事に出てくるフォルダの段数・ファイル名の形・失敗時の動きは、すべて実装からそのまま書き出したものです。