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web会議で相手に画面共有してもらえない|許可を出す側が4つある

2026年10月6日

机の上で、こちら側の人が相手のノートパソコンのほうを指さしている。あいだに門が4枚並び、手前の1枚だけが鍵を差した手で開いていて、奥の3枚は鍵穴が付いたまま閉じている
机の上で、こちら側の人が相手のノートパソコンのほうを指さしている。あいだに門が4枚並び、手前の1枚だけが鍵を差した手で開いていて、奥の3枚は鍵穴が付いたまま閉じている

「そちらの画面を見せてもらえますか」と頼んだのに、相手から「共有のボタンがありません」と返ってくる。検索すると出てくるのは「主催者に許可してもらってください」です。ところがこちらが主催者で、すでに許可を開けている場合、その先が書かれていません。 この記事では、相手の共有を止めうる層を4つに分け、どれがこちらで開けられて、どれが相手側にしかないかを各社の公式ヘルプから整理します。出典は本文に置いています。

この記事の内容
  1. 上位に出てくるのは「主催者に許可してもらってください」
  2. 層1:会議中に自分で開けられる設定
  3. 層2:自分の会社の管理者が、自分の手を縛っている場合
  4. 層3:相手の会社の管理者。外部の会議だけ止められる
  5. 層4:相手の端末のOS。許可の場所はMacの中
  6. 公式どうしが食い違っていた
  7. 最初の1分で確かめる順番
  8. Meetnectの場合

上位に出てくるのは「主催者に許可してもらってください」

この語で検索して上位9件を読むと、ほぼ全部が共有する側から見た手順と対処です。共有のやり方、ボタンが出ないときの再入室、回線やブラウザの更新。そして権限の話になると「主催者が参加者の画面共有を禁止している場合は、主催者に有効にしてもらう」で終わります。

この答えは正しいのですが、こちらが主催者のときには使えません。自分の設定を開けたあとに何を確かめるかが、9件のどこにも書かれていませんでした。

商談でこれが起きるのは、だいたい相手の画面を見たい瞬間です。今使っている管理画面を見せてほしい、エラーが出ている画面を見せてほしい。頼んだ時点では相手も「できます」と答えていて、押した瞬間に出てこない。残り時間が削れていく中で、こちらは相手の端末を見られません。

層1:会議中に自分で開けられる設定

まず、こちらで開けられる層です。ここは4社とも用意があります。

Zoomは会議中のセキュリティ設定に「Who can share?」があり、選択肢は「ホストのみ」と「すべての参加者」の2つです。主催者と共同主催者が会議中に変えられます。同じページに、見落とすと次回また同じことが起きる一文があります。

> Changing these settings during a meeting only affects this current session. Restarting the meeting or starting a different meeting will revert the screen sharing options back to their default.

(会議中の変更はその回だけに効きます。会議を開き直すか別の会議を始めると、既定値に戻ります)。その場で開けて見せてもらえたとしても、同じ相手との次の回で元に戻ります。 残したいならWebポータル側の既定値を変える、という書き分けです。もう1つ、主催者の手が止まる条件も書かれています。複数人の同時共有を有効にしているあいだは、他の選択肢を変えられません(Zoom KB0058641)。

Teamsは主催者の会議オプションの「Who can present」です。管理者が決める既定値の説明に、EveryoneはThis is the default.とあり、全員が発表者として参加すると書かれています。もう1つの選択肢「組織内のユーザーとゲスト」は、サインインした利用者が発表者になるという書き方で、サインインしていない匿名参加はここに入りません(Manage who can present and request control in Teams meetings)。

既定が「全員」だということは、相手が共有できない原因は、たいていこの層ではないという意味でもあります。Webexはホストが会議を予約するときに決められます(Choose if participants can share their screens)。

層2:自分の会社の管理者が、自分の手を縛っている場合

次は、こちらの側の管理者です。層1の操作そのものが消えていることがあります。

Webexのサイト管理には参加者の共有を許すチェックボックスがあり、外すと何が消えるかがヘルプに並んでいます。会議予約時の「最初に入った参加者を発表者にする」と、会議中にホストのメニューに出る「Anyone Can Share」です。ホストのメニューから項目が消えるので、ホストは自分の設定不足だと気づけません。

ただし同じページに逃げ道も書かれています。

> When you uncheck this check box, attendees can share if the host assigns them the Presenter role.

(このチェックを外した場合でも、ホストが発表者の役を割り当てれば参加者は共有できます)。「全員に許す」はサイト側で止まっていても、「この人に渡す」は残っています(Configure participant sharing options for your site)。この区別は他社のヘルプには見つかりませんでした。

Zoomも同じ形で、画面共有の設定はアカウント単位・グループ単位で切り替えられ、鍵のアイコンを押すと全員に強制されます。固定された側の見え方も明記されていて、灰色になっていたらアカウント側で固定されており、そこで変える必要があるとあります(Zoom KB0058726)。

Teamsの「Who can present」も、ヘルプが「主催者が会議オプションで見る既定値を選ぶための、利用者単位の方針」と書いています。主催者が見る初期値を決めているのが管理者で、主催者は会議ごとに変えられます。

層3:相手の会社の管理者。外部の会議だけ止められる

ここが、上位9件にもなく、こちらから手が出ない層です。

Zoomには、自社の利用者が他社の会議に参加したときの機能を止める設定があります。止められる機能の一覧に画面共有が入っていて、適用範囲が2つから選べます。

> All Meetings: Disables the feature when users join an internal or external meeting > > External Meetings only: Disables the feature when a user joins External meetings.

(すべての会議で止める/社外の会議に参加したときだけ止める)。さらに、有効にするとどの端末からサインインしてもこの方針が付いてくると書かれています(Zoom KB0068023)。

「社外の会議でだけ画面共有を止める」という設定が、相手の会社側に存在します。 この状態なら、相手は自社の会議では共有できているので「できます」と答えます。こちらの会議でだけ出てこない。端末を変えても付いてきます。

Teamsにも同じ性質のものがあります。画面共有の可否を決めるScreen sharing modeについて、ヘルプは「これは利用者単位の方針で、Teams会議でデスクトップやウィンドウを共有できるかを決める」としか書いていません。ここで効いてくるのが、同じページの書き分けです。PowerPoint Live・ホワイトボード・共有ノートの3つには、どれにもこの一文が付いています。

> External participants, including anonymous, guest, and external access users, inherit the policy of the meeting organizer.

(匿名・ゲスト・外部アクセスを含む外部の参加者は、主催者の方針を受け継ぎます)。画面共有モードの欄には、その一文がありません(Manage meeting policies for content sharing)。書かれていないことは「受け継がない」の証明ではありません。ただ、同じページの中で3つには書き、1つには書いていないという事実は残ります。

同じ欄には、ブラウザ参加の条件も書かれています。アプリ単位の共有だけを許す値を割り当てられた利用者がブラウザでTeamsを使っていると、this setting functions as Not enabled(この設定は「無効」として働く)。相手の管理者は「アプリ単位なら共有してよい」と設定したつもりで、相手がブラウザから入っていると共有そのものが消えます。 社外の会議にブラウザで入る相手は珍しくありません。

操作を渡し合う側にも両社の合意が必要だと、Teamsは明記しています。外部アクセスの利用者が他の外部参加者に操作を渡すには、こちらと相手の管理者の両方がオンにしている必要があるとあります。

層4:相手の端末のOS。許可の場所はMacの中

最後は端末です。macOSでは、画面を取り込むアプリごとに許可が要ります。Appleのヘルプは場所を「システム設定 → プライバシーとセキュリティ → 画面とシステムオーディオの収録」と書いています。アプリごとに収録のオン・オフを切り替える画面です(Control access to screen and system audio recording on Mac)。

Google Meetのトラブルシューティングも、確認先として端末側を挙げています(Check your computer permissions settings to screen share.)。

この層は、許可の画面が相手のパソコンの中にあります。 こちらからは、相手が「押しても何も起きない」と言っている状態しか見えません。会議ツールの設定を何回見直しても出てきません。

公式どうしが食い違っていた

Google Meetについては、公式ページ2本の記述が噛み合いませんでした。そのまま書いておきます。

主催者向けの管理機能のページには「この機能はデフォルトではオフになっています。」「これらの設定にアクセスできるのは主催者のみです。」とあります。このページが挙げている管理対象は音声のロック・動画のロック・チャットの管理などで、画面共有の制限はこの一覧に出てきません(Manage host controls)。

ところがトラブルシューティングのページは、画面共有ができない原因として主催者管理を挙げ、こう書いています。

> Ask the meeting host to find out if "Host management" is on. The meeting organizer could've turned off Host Management to limit screen sharing privileges.

前半は「オンかどうか聞け」、後半は「オフにして制限した可能性がある」。どちらの状態が共有を止めるのかが、1つの段落の中で逆になっています。 既定はオフだと別ページが書いているので、オフが制限側だとすると初期状態で誰も共有できないことになります。公開されているページからは、どちらが正しいか判断できませんでした(Troubleshoot screen-sharing issues in Google Meet)。

最初の1分で確かめる順番

4層のうち、こちらで動かせるのは層1と層2だけです。頼む順番をそこから決めると、こうなります。

  1. 自分の設定を先に開ける。 Zoomなら全参加者に、Webexなら発表者の役を渡す。相手に聞く前に済ませます。Zoomはその回しか効かないので、同じ相手と次がある商談ならWebポータル側の既定値も直します。
  2. 「ボタンが無い」のか「押しても何も起きない」のかを聞く。 無いなら層2か層3(設定で消えている)、押して何も起きないなら層4(端末の許可)です。この2つは聞き方で分かれます。
  3. 相手がブラウザから入っているかを聞く。 Teamsでブラウザ参加なら、相手の管理者の設定次第で共有そのものが出ません。
  4. 出てこないまま進める手を先に決めておく。 相手の画面を見るのを諦め、こちらが同じ画面を開いて「今どこが赤くなっていますか」と聞く形に切り替えます。相手の管理者に連絡を取る時間は、商談の中にはありません。

4層のうち2つは相手の会社の中にあり、1つは相手の端末の中にあります。「許可してもらう」という言い方が成り立つのは層1だけで、残りは当日その場では開きません。見せてもらう前提で組んだ商談は、見せてもらえないほうに倒れたときの進め方を持っておくほうが早い、というのが調べた結論です。

相手側の設定がこちらから見えないという形は、画面共有だけではありません。チャットが使えない場合は外部参加者とチャットに、共有した資料が相手の手元でどう見えているかは相手のスマホは分からないに書きました。

Meetnectの場合

左のノートパソコンは画面がはっきり見えているが、右のノートパソコンは灰色の霧に包まれて中身が見えない。あいだに1枚の板が立ち、矢印は左から右へ一方向にだけ伸びている
左のノートパソコンは画面がはっきり見えているが、右のノートパソコンは灰色の霧に包まれて中身が見えない。あいだに1枚の板が立ち、矢印は左から右へ一方向にだけ伸びている

Meetnectで相手の画面を見せてもらうときは、ブラウザのgetDisplayMediaに任せています(public/room.htmlに1か所、{video:true}のみ)。だから相手の端末の許可が閉じていれば出てこないのは、この記事で挙げた他社と同じです。相手の端末の情報をこちらに送る仕組みも作っていません(public/room.html・src/worker.js・public/app.htmlをscreenWidth・devicePixelRatio・isMobile・navigator.platformで検索すると4語とも0件です)。相手側で何が起きているかは、うちの画面にも出ません。

この記事で挙げた順番の効果は測っていません。各社の公式ヘルプに書かれていたことと、うちのコードの検索結果だけを根拠にしています。

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