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web会議に相手のAI議事録ツールが参加|気づくのは入った後

2026年10月13日

ノートパソコンの画面に4つのタイルが並び、3つには人が映っているが、右下のタイルだけは柵の向こうに小型のロボットが立っていて、柵の板を手で押さえながらこちらをうかがっているイラスト
ノートパソコンの画面に4つのタイルが並び、3つには人が映っているが、右下のタイルだけは柵の向こうに小型のロボットが立っていて、柵の板を手で押さえながらこちらをうかがっているイラスト

商談を始めようとしたら、参加者の一覧に見覚えのない名前が1つ増えている。相手が使っているAI議事録のツールが、参加者として入ってきた状態です。入れるかどうかを決める仕組みは主要な3つのツールすべてに用意されていますが、既定の動きが違い、入ったことに気づくタイミングも違います。 しかもMicrosoftは自分の管理者向けページに「検出できないボットがある」と書いています。公式ヘルプの原文で確かめた順に書きます。

「web会議 AI議事録」で調べると、ツールの比較記事が並びます。「相手が連れてきた場合」で引き直すと、今度は録音の同意の取り方と社内ルールの作り方が出てきます。どちらも必要な話です。ただ、こちらが主催した商談に、相手のツールが入ってくる側を扱った記事はほとんどありません。入れるのか、入ったと分かるのか、分かったとして誰が外すのか。それを決めているのは会議ツールの設定で、商談の作法ではありません。

この記事の内容
  1. Teamsは、見つけたボットをロビーに留める(既定でオン)
  2. 「検出できないボットがある」と公式が書いている
  3. Google Meetは、入り方が2つある
  4. 知らせが届くのが、始まって3分後のこともある
  5. 止める口は用意されている。押す人が決まっていない
  6. 確かめられなかったこと
  7. Meetnectの場合
  8. 参考

Teamsは、見つけたボットをロビーに留める(既定でオン)

Microsoftは外部のボットについて専用の管理ページを持っていて、冒頭からリスクの側で書き出しています。

> While these tools may improve individual productivity, they may also introduce security and compliance risks when they access meetings without the organizer's awareness or consent.

> - Record or transcribe meetings without participant awareness. > - Store meeting data in third-party systems outside of the organization's compliance boundaries.

(Manage external bots and their access to meetings hosted in your organization)

会議を立てた人が知らないまま記録されることが、最初の問題として挙がっています。対処は会議ポリシーの1項目で、選べるのは2つだけです。

> | Do not detect bots | *AllowBots* | Bots aren't detected or marked in the lobby or in the meeting. They appear as any other external participant in the meetings. | > | When detected, require approval before joining | *RequireApprovalWhenDetected* | (default) Bots are detected and marked in the lobby. They're enforced to be in the lobby until explicitly admitted into the meeting. |

既定は後者、つまり見つけたら承認が要る側です。効き方の説明に強い1文があります。

> The participants detected as bots are placed in the meeting lobby irrespective of the lobby configuration for the meeting.

ロビーの設定に関わらず、ボットと判定された参加者はロビーに置かれる、と書かれています。「社外の人もそのまま入れる」設定にしてあっても、ボットだけは別扱いになるということです。同じページには、誰がそれを通せるかについての助言も付いています。

> Configure the meetings hosted in your organization to only allow Organizers and co-organizers to admit participants from the meeting lobby.

発表者の役割を持った参加者がうっかり通してしまわないように、通せる人を主催者と共同主催者に絞っておく、という趣旨です。招待が転送されて参加者そのものが増える話はweb会議の招待が転送されて参加者が増えるに書いています。

「検出できないボットがある」と公式が書いている

同じページの最後に、制限事項が2つ並んでいます。これが今回いちばん強い記述です。

> Some external bots may not be detected. We're constantly improving our detection mechanism and filling in any gaps that are observed.

> Detection may occasionally misclassify human participants as bots.

見落とす場合と、人をボットと間違える場合の両方がある、と公式が認めています。間違えられた人は、ロビーから通したうえで「This is not a bot」を選ぶと、その会議のあいだは普通の参加者として扱われる、とも書かれています。

ここから読めることは単純です。既定でロビーに留まる作りになっていても、参加者の一覧を自分の目で見る作業は無くなりません。 商談を始める前に、画面の名前を1つずつ確かめる。それだけは機械に預けられない、と公式のページが先に言っています。

Google Meetは、入り方が2つある

Googleは、同じ「外部のAIが会議に関わる」ことを2つの経路に分けて書いています。

左側では閉じた木の扉の前にロボットが立って待っていて、右側では建物の外壁に沿った金属の配管が会議室の中まで伸び、机に置かれたマイクに届いているイラスト
左側では閉じた木の扉の前にロボットが立って待っていて、右側では建物の外壁に沿った金属の配管が会議室の中まで伸び、机に置かれたマイクに届いているイラスト

1つ目は、参加者として入ってくる経路です。会議のアクセス権の説明に、そのものの1文があります。

> Anonymous users or third-party bots, like note takers, that attempt to use "Ask to join" are automatically denied access without actions required by the host.

(Tips to control meeting access and participation)

ノックして入ろうとした第三者のボットは、主催者が何もしなくても自動で断られる、という説明です。ただしこれは「制限付き(Restricted)」のときの話で、同じページの定義はこうです。

> Anyone invited through a Google Calendar event or from within the meeting by a host can join. Everyone else must knock.

カレンダーの予定に招かれていれば、ノックの話になりません。 相手のAIが相手の予定に紐づいて入ってくるなら、自動で断る仕組みは手前で効かない、ということです。

2つ目は、参加者の数を増やさずに、通話の音と映像を外から使う経路です。

> Let third-party apps that join a Meet call use the audio and video of the call through Meet Media API

(Control Media API access in Google Meet)

同じページに、誰の同意で使えるようになるかが書かれています。既定は「Everyone from the host's org can give consent」、つまり主催者だけでなく、主催者の組織の誰でも同意を出せる状態です。もう1つは「Only the host or co-host can give consent」。そして条件はこの1文です。

> Meet Media API can only be used in a meeting, if at least one user in the video call has previously agreed to the terms.

通話にいる誰か1人が過去に同意していれば使える、と読めます。ただし使っているあいだは知らされます。

> To ensure privacy, participants are informed when Meet API is in use in a meeting, and each participant will be able to turn it off.

使用中は参加者に伝わり、各参加者が止められる。入ってくる前には止められないが、入ったあとには止められる、という作りです。

知らせが届くのが、始まって3分後のこともある

ここまでは「入られる側」の話でした。入っていく側の挙動を、Zoomが自分のヘルプに書いています。ZoomのAIは、他社の会議にも入れるようになっています。

> Once invited, Zoom AI will join the meeting as a participant, transcribe the meeting to provide a summary, and answer questions post-meeting.

(Using Zoom AI in third-party meetings)

対象は「third-party platforms (Google Meet and Microsoft Teams)」と明記されています。つまりMeetで開いた商談に、Zoomの契約を持った相手のAIが参加者として入ってくることがあり得ます。そして同席している側に何がいつ伝わるかが、こう書かれています。

> A chat message is posted 3 minutes after the meeting starts to inform meeting participants of Zoom AI's presence and purpose.

会議が始まって3分後に、チャットでお知らせが出ます。30分の商談なら、名乗りと会社紹介が終わるころです。画面のタイルには「Zoom branding and Zoom AI indicator」「The name of the assistant's owner」「Activity status (Transcribing)」が出る、とも書かれています。持ち主が誰かは分かるので、気づいた時点で誰に聞けばいいかは迷いません。

同じ「AIが記録する」でも、そのツール自身の機能なら知らせ方が違います。Google Meetの「Take notes for me」はこうです。

> Google Meet informs all meeting participants that notes are being taken and the pencil icon appears on all participants' screens.

(“Take notes for me” in Google Meet)

全員の画面に鉛筆の印が出ます。自前の機能は最初から全員に見せ、外から入ってきたものは3分後にチャットで名乗る。 同じ会議の同じ記録でも、経路によって気づける速さが変わります。録画を自分から切り出すときの言い方はオンライン商談の録画の許可の取り方と、断られたときに残せる記録に書いています。

止める口は用意されている。押す人が決まっていない

Zoomは、入ってくるボットを止める手立てを1ページにまとめています。

> Web App bot protection is enabled for all accounts by default and can't be turned off, so no action is required on your part to protect against Web App bots.

(Blocking bots from joining meetings and webinars)

既定で有効で、しかも切れない、と書かれています。これとは別に、アプリの側を名指しで止める仕組みもあります。

> The Meeting SDK block/allow list lets you control which Meeting SDK apps can join your meetings.

> Meeting SDK apps that aren't published to the Zoom Marketplace can't join meetings outside the developers account.

マーケットプレイスに公開されていないアプリは、そもそも開発した会社の外には出られない、という線が引かれています。残りは一般的な入口の設定です。「Guest users (users who are not signed in) are placed in the waiting room for the host to review.」、サインインの必須化、ドメインでの制限。そして、何が入ろうとして何が止まったかを見る画面もあります。

> The Meetings app dashboard shows an overview of what apps are attempting to join, joining, or being blocked from your meetings and webinars.

並べると分かるのは、設定は足りているということです。足りていないのは、それを商談の前に触る人です。ここに出てきた設定はすべて管理者の画面にあり、営業担当の手元にはありません。商談の5分前に気づいても、動かせないものばかりです。

だから、先に決めておくのはこの3つになります。

  1. 相手のAIが入ってきたら、通すか断るかを会社として決めておく。 その場で営業担当に判断させない
  2. 通すなら、何を記録されるかをその場で聞く。 持ち主の名前はタイルに出るので、誰に聞けばいいかは分かる
  3. 自分が記録するなら、冒頭で口に出す。 相手のAIがいるかどうかとは別の話として

確かめられなかったこと

Microsoftのページの手順が、2つの名前で書かれています。 本文は「Set-CsTeamsMeetingPolicy」で管理すると説明していますが、その下に載っているコマンドの例は2つとも「Set-CsTeamsEventsPolicy」になっています。どちらが正しいかは原文からは判断できませんでした。実際に設定するときは、管理センターの画面側(Meeting Join and Lobby の項目)から触るほうが確実です。

どのツールが「ボット」と判定されるかの一覧は、どこにもありません。 Microsoftは「infrastructural and behavioral signals」で判定すると書いているだけで、名指しの一覧は公開されていません。だから「あのツールなら止まる」という当て方はできません。

Google Meetで、相手のAIがカレンダーの予定に招かれていた場合にどうなるか。 「制限付き」の定義からは入れると読めますが、ボットについて明記した記述は見つけられませんでした。

こちらが断ったとき、相手の画面に何が出るか。 3社とも、止めた側の画面の説明はありますが、止められた側に何が見えるかは書かれていません。商談の相手に気まずい表示が出るのかどうかは分かりませんでした。

Meetnectの場合

私たちが作っているMeetnectは、ブラウザで開くだけで使えるオンライン商談のツールです。今回確かめた設定は、どれも会議を立てた側の管理画面にありました。商談の直前に営業担当が開ける場所ではありません。だから手を打つ順番は設定の前にあって、記録を誰が取るのかを最初に口に出すほうが先に効きます。切り出し方と、断られたときに何を残せるかはオンライン商談の録画の許可の取り方と、断られたときに残せる記録に書きました。

参考

商談しながら、議事録ができています

Meetnect はブラウザだけで動くオンライン商談ツールです。相手は登録不要、URLを開くだけ。通話中に文字起こしが進み、終わった時点で「誰が何を言ったか」まで残った議事録ができています。7日間、カード登録なしで試せます。