web会議のライセンスが切れたとき予約済みの会議はどうなるか
2026年10月4日

担当が1人抜ける。契約を1本返す。ライセンスを別の人に付け替える。そのとき、すでに相手に送ってある商談の予定はどうなるのか。検索して出てくるのは退職者のアカウント処理の手順で、予約済みの会議が当日どうなるかに答えたページは見当たりませんでした。公式を当たると、残る期間も、別の人に移せる範囲も、3社でそろっていません。 30日と21日という別々の時計が動いていて、どちらも手元のカレンダーには出てきません。出典は本文に置きます。
上位に並ぶのは「退職者のアカウント処理」の手順だった
この語で検索すると、上位に並ぶのは2種類です。退職者が出たときのアカウント処理のチェックリストと、Outlookの予定の消し方。どちらも丁寧に書かれていますが、視点が「アカウントをどう片付けるか」に固定されています。 すでに送ってある商談の予定が当日どうなるかは、ついでに触れられる程度でした。3社を並べて日数の違いを書いたページは、上位にはありませんでした。
招待URLそのものの期限は別の記事で確かめています。ここで扱うのは、URLより先に人が無くなった場合です。
外すのか、止めるのか、消すのか。この3つは別のことだった
公式を読んで最初に分かるのは、社内で「アカウントを止める」と呼んでいる操作が1つではないことです。ZoomのDeactivating, unlinking, or deleting users from your accountは、3つを別の項目として書いています。
無効化は、サインインも機能の利用もできなくする操作で、設定は残ります。この説明に remove all licenses associated with a user、つまり付いているライセンスを全部外す、と書かれています。紐付けを外すと、本人の無料アカウントになります。削除は設定・会議・ウェビナー・録画ごと無くなります(settings, meetings, webinars, recordings)。
3つに名前が分かれているのは、残るものが違うからです。社内の会話では、ここが1語に潰れます。
Zoom:予約は残っているのに、当日40分で切れる
ライセンスを外したあとに起きることで、いちばん気づきにくいのがこれです。Zoomのプロライセンスがあるのに40分で終わるときの記事は、原因を3つ挙げています。違うアカウントでサインインしている、クライアントがライセンスの状態を取り直していない、そして2つめがこれです。
> Your paid license isn't assigned to your user account.
有料ライセンスが、そのユーザーアカウントに割り当てられていない。付け替えのあとに残る状態そのままです。予約の一覧は何も変わらないのに、当日その会議が40分で終わります。 予約の画面に、残り時間の話は出てきません。
移すほうにも線があります。削除の前にデータを別の人へ渡せるのですが、移管の公式ヘルプにはこうあります。
> All scheduled meetings, excluding meetings scheduled with the user's PMI, are transferred.
個人ミーティングID(PMI)で取った予約だけは移りません。PMIはその人に付いた番号なので、別の人の番号にはできないということです。社内で「いつもの部屋」として使い回していると、渡せないのはまさにその予約です。
Microsoft:予定表が残るのは30日。戻すのにも24時間かかる
Microsoftは、ライセンスを外したあとに残る期間を日数で書いています。予定表が名指しされているのは元従業員を削除するの手順6です。
> ライセンスを削除または削除すると、元従業員のメール、連絡先、予定表は 30 日間保持され、完全に削除されます。
原文の表記のままです。同じ30日と「猶予期間後、データは削除され、復元できなくなります」はライセンスの割り当て解除のページにもあります。30日の時計は、予定表にも付いています。
戻すときの話はMicrosoft Teams へのユーザー アクセスを管理するです。ライセンスを削除するとそのユーザーのTeamsは無効になる、と書かれたあとに、注意書きが1行入ります。
> Teams SKU を無効にして有効にするには、約 24 時間かかります。
外すのは即日でも、戻すのが即日とは書かれていません。 翌日に商談が入っているなら、ここが効きます。
Google:何もしないと、21日後に静かにキャンセルされる
Googleは、何もしなかったときに起きることを明記しています。Cancel or transfer events or secondary calendars before deleting a userは、予定を片付けずに削除や停止をすると、その予定を変更・更新・キャンセルできる主催者がいなくなる、という説明から始まります。
そのための自動の片付けがあります。21 days after you delete a user, the system automatically cancels their future events。削除から21日後に、その人の今後の予定がシステムによって自動でキャンセルされます。設定の名前は「削除されたユーザーの今後の予定をサイレント キャンセル」。サイレント、つまり静かに消えます。
移すほうには、線が4本引かれています。今後の予定であること、非公開でないこと、主カレンダーにあること、ゲストかリソースが1つ以上付いていること。非公開の予定は全部キャンセルされ、過去の予定は移りません。停止(suspend)のほうは別で、予定はカレンダーに残り、手を入れられるのは特権管理者だけになります。
30日と21日は、どちらも予定の画面には出てきません。 カレンダーを開いても、その予定があと何日で消えるのかは書かれていません。
うちは予約の持ち主を、人ではなく会社にした

Meetnectでは、予約の持ち主を人ではなく会社にしています。予約した商談の一覧は会社の単位で保存していて、作った人の名前は記録として付くだけです。担当が替わっても、一覧からは消えません。商談は会社の仕事で、人に付くものではないからです。
ただ、カレンダーのほうは人のものです。GoogleカレンダーとつなぐとMeetnectは本人の主カレンダーの今後の予定を250件まで読み、Meetnectのリンクが入っているものを予約として取り込みます。逆向きもあって、カレンダー側で消えた予定は、Meetnect側の予約(開始前のもの)からも消します(src/worker.js の408〜474行)。
ここに1つ、手で線を引いたところがあります。この消し込みは、カレンダーの一覧が全件取れたときだけ動かしています。250件で切れて次のページが残っている場合と、取得そのものが失敗した場合は消しません(fetchOk && !truncated、461行)。こちらに届くのは「もう無い」という結果だけで、誰が消したのかも、なぜ消えたのかも返ってきません。取りこぼしと削除の区別が付かないなら、消さない側に寄せるしかありません。
分からなかったこと
Teamsの会議リンクが、開催者のライセンスを外したあとも使えるのかは、公式のドキュメントでは見つかりませんでした。30日の保持と、リンクが生きているかどうかは、同じ場所に書かれていません。Zoomの40分が何人から効くのかも、今回当たった記事には書かれていませんでした。
Googleの21日の設定が既定で入っているのかも分かりません。チェックボックスを入れる形の手順なので、入れなければ動かないと読めますが、既定の記述はありません。同じページにある「2026年初めから、オーナーを削除したあとは追加の移管ができなくなる」という予告が、いま効いているのかも確かめられませんでした。
担当が抜けると決まったときに打てる手
予定を消す前に、予約の一覧を控える。 消したあとでは、何が入っていたかを突き合わせる先が無くなります。
ライセンスを外す日と、最後の商談の日をずらす。 Teamsは戻すのに約24時間と書かれています。前日に外すと、当日に戻し切れない可能性が残ります。
「いつもの部屋」をやめる。 Zoomで移らないのはPMIで取った予約です。引き継ぐ前提の商談は、その都度の予約で取るほうが手数が減ります。
Meetnectの場合
Meetnectは予約の一覧を会社の単位で持ち、録画と議事録は会社で1つ決めたフォルダの下に落とします(保存先の選び方は乗り換えの記事に書きました)。担当者のアカウントを止めても、ファイルは会社側の置き場に残ります。カレンダーをつないでいる場合は、予定を消すと予約も消えるので、片付ける順番だけはそろえておく必要があります。