オンライン商談に上司や新人が同席するとき、相手の画面に何人出すか
2026年9月12日

オンライン商談に上司や新人を同席させる目的は、対面の営業同行と変わりません。新人に商談の実物を見せる、上司が担当の商談を見て直す、の2つです。変わるのは、同席した人が相手の画面に1枠として並ぶことです。
この記事では、上位の記事に共通する同席の進め方を短くまとめたうえで、オンラインになった途端に詰まる3つの場面を整理します。後半は、自分たちのツールで画面に出ない「見学」の席を別に作り、社内だけに届くチャットを分けた理由と、その結果として相手の画面と手元に何が起きるかを、実装のとおりに書きます。
同席で決めておくのは「どこを見るか」と「終わった後」です
営業同行の記事に共通するのは、同席の中身は当日ではなく前後で決まる、という点です。事前に「この商談は何回目で、今日はどの段階か。どこを見て何を学んでほしいか」を伝え、終わった後に「何が、なぜ良かったか」を新人の言葉で言わせる。対面なら移動の車内で済んでいた話を、オンラインでは意識して時間を取る必要があります(出典)。
ここまでは対面と同じです。ここから先が、オンラインで初めて出てくる詰まりです。
実務で詰まるのは、相手の画面と、商談中の指示です
1. 相手の画面に、自社の顔が3つ並ぶ
対面なら、新人は担当の隣に座って名刺を出せば終わります。オンラインでは、参加した人数ぶんの枠が相手の画面に並びます。相手が1人、こちらが担当・上司・新人の3人なら、相手の画面は1対3です。
カメラを切っても枠は消えません。名前だけの黒い枠が残り、相手からは「この方はどなたですか」になります。カメラを切ること自体は悪い印象を生まないものの、良い印象は付きにくい、という1,000名規模の実験結果もあります(出典)。黙って座っている枠が1つ増えるほど、相手はそちらにも気を配ります。
2. 商談中に、担当へ指示が出せない
対面なら、上司はメモを1枚差し出せます。オンラインでは、それが無い。商談の途中で「ここで値引きの話に入らない」「決裁者を聞いて」と伝えたいとき、使えるのは商談ツールのチャットか、別のチャットアプリです。
商談ツールのチャットは、宛先を1つ間違えると相手に届きます。別のアプリは、担当が商談画面から目を離すことになります。どちらも、対面のメモ1枚には及びません。
3. 同席者の音が乗る
カメラを切ってもマイクは生きています。同席者の側で電話が鳴る、キーボードを打つ、隣の席の会話が入る。相手の画面では、誰の音かも分からないまま商談が止まります。
うちはこう作った:画面に出ない「見学」の席を別に用意しました

自分たちのツールでは、商談ルームに入る席を2種類に分けました。カメラとマイクを出し合う参加の席と、受け取るだけの見学の席です。見学は、上司のレビューと新人の同行のために作った席で、入口も参加とは別に置いています。見学で入れるのは、自社のアカウントでログインした人だけです。
見学の席は、映像と音声の通り道を受信専用で張ります。相手との接続を作るとき、参加の席なら自分のカメラとマイクを線に乗せますが、見学の席では「受け取るだけ」の線を音声1本・映像1本ぶん用意して、乗せるものを持ちません。入口の画面でも、見学を選んだときはブラウザにカメラとマイクの許可を求めません。上の詰まり3は、マイクを切り忘れる余地が最初からありません。
相手の画面に枠が出ないのは、届く映像が無いからです
相手の画面に枠が出るのは、その人から映像が届いたときです。見学の席からは何も届かないので、相手のブラウザには枠を作る材料がありません。隠す処理を足したのではなく、描くものが無い、という順番です。
加えて、相手の画面には「○○さんが参加しました」の表示も出ませんし、画面の隅にある参加人数の数字にも見学は数えません。人数の数字は、映像を出し合っている人だけを数えています。相手の画面は、担当が1人なら1対1のままです。上の詰まり1の答えです。
この席は、人数の上限とも別枠です。映像を出し合う参加の席は1つの商談で4人までですが、見学はその4人に含めません。担当が1人で商談に出て、上司と新人が見学で入っても、相手側にはあと3人分の席が残ります。
見学の席からは、送る操作がそもそも無い
見学の席では、画面共有・資料の提示・ホワイトボードの書き込み・スタンプ・全員宛のチャットの操作を画面に出しません。見えるのは、相手と担当の映像と音声、提示中の資料、ホワイトボードの中身です。
出さないだけでなく、サーバーの側でも落としています。見学の席から全員宛のチャットやスタンプやボードの書き込みが届いても、サーバーは誰にも中継しません。画面で隠すだけだと、操作の仕方を知っている人には送れてしまうので、止める場所を通り道の途中に置きました。
社内だけに届くチャットを、全員宛と分けました
上の詰まり2の答えは、チャットを2本にしたことです。商談ルームのチャットには「全員」と「社内」の2つのタブがあり、社内のタブに書いたものは、主催と見学の席にだけ届きます。サーバーは社内宛のメッセージを受け取ると、自社側の席だけを選んで中継し、相手には送りません。
見学の席では、開いた時点で社内のタブが選ばれています。全員のタブに切り替えても、見学からは送信できません。だから上司が見学で入って担当に指示を書くとき、宛先を間違えて相手に届く経路がありません。担当の側は、全員のタブで相手とやり取りしながら、社内のタブで上司の指示を読む、という使い方になります。対面のメモ1枚の代わりです。
見えない席でも、同席は口頭で伝えてから始めます
ここまで書いたとおり、見学の席は相手の画面に出ません。だからこそ、同席していることは商談の冒頭で口頭で伝えます。「今日は上司の○○も聞いております」の一言で済みます。相手に見えないことと、相手に伝えないことは別で、後者は信頼の話です。
見学の席が解いているのは、伝えるかどうかではなく、伝えた後に相手の画面が1対3になってしまう問題と、商談中の指示の通り道が無い問題です。相手の画面は担当1人のまま、上司は商談を見て、社内のタブで指示を書く。新人は同じ席で、商談の実物を見る。事後の振り返りは、対面と同じように別で時間を取ります。
Meetnect はブラウザだけで動くオンライン商談ツールです。見学の席は、この記事に書いたとおり受信専用の接続で相手の画面に枠を作らず、映像を出し合う4人の上限にも含めません。チャットは全員宛と社内宛に分かれていて、見学からは社内宛にしか送れないので、商談中の指示が相手に届く経路がありません。