トップ / ブログ

web会議の通信量は1時間何GB?目安より「制限後の速度」を見る

2026年9月22日

web会議の通信量を、1時間あたりの容量と、容量を使い切った後の速度の2つで見ている場面
web会議の通信量を、1時間あたりの容量と、容量を使い切った後の速度の2つで見ている場面

web会議の通信量を調べると、「1時間で300〜600MB」「Zoomは音声だけなら約72MB、動画なら約600MB」と数字が並びます。ただ、Zoom・Google Meet・Microsoft Teams の公式ページが出しているのは通信量ではなく速度(Mbps)で、1時間あたりの容量は誰かが計算した値です。この記事では、3社の公式要件から1時間の量を計算式つきで出し直したうえで、外出先のスマホ回線で本当に詰まる「容量を使い切った後の速度」を、キャリアの公式値と各ツールの最小要件で突き合わせます。私たちの製品の話はしません。


この記事の内容
  1. 上位に書かれているのは「1時間○MB」の一覧
  2. 詰まるのは、公式が「量」を出していないこと
  3. 公式の速度から1時間の量を計算し直す
  4. 使い切ったあとの速度で、何が動くか
  5. 商談前に見るのは残り容量でなく「いま制限中か」
  6. 最後に

上位に書かれているのは「1時間○MB」の一覧

先に一般論です。ビデオありで1時間300MB〜1GB、音声だけなら数十MB。画質を下げる、カメラを切る、ビデオを1人分だけ表示する、で減らせる。月30GBの回線なら、毎日1時間の会議でも足りる計算になります。

ここまでは正しく、一般論はこれで足ります。

詰まるのは、公式が「量」を出していないこと

1つ目は、公式ページに「1時間○MB」が無いことです。Zoom は「1対1のビデオ通話で 600kbps(上り/下り)」、Teams は「ビデオ通話 推奨 1,500kbps」、Meet は「720p の動画で最大 1.7Mbps」のように、すべて1秒あたりのビット数で書いています。1時間の量に直すには、Mbps × 3,600秒 ÷ 8 の計算が要ります(bit と Byte の8倍の違いを落とすと、8倍ずれます)。

2つ目は、その速度が「要件」であって「実際の消費」ではないことです。Teams の公式ページは、実際の帯域幅の消費は「ビデオ レイアウト、ビデオ解像度、1 秒あたりのビデオ フレームなど、いくつかの要因によって異なります」と書き、帯域が足りなければ「ビデオ品質よりもオーディオ品質を優先します」としています(Microsoft Learn「Teams 用に組織のネットワークを準備する」)。つまり、同じ1時間でも相手の人数と画質で量は変わり、回線が細ければ勝手に下げます。

3つ目が本題で、容量を使い切ったあとに残る速度が、目安表のどこにも無いことです。月の容量は「足りるか」で見ますが、商談中に効くのは「足りなくなった瞬間に何 kbps に落ちるか」です。ここを見ないと、残り0.3GBで商談に入って、途中で映像が止まります。

公式の速度から1時間の量を計算し直す

ここからが一次情報です。3社の公式値を、1方向(上りだけ、または下りだけ)の1時間の量に直します。計算は kbps × 3,600 ÷ 8 ÷ 1,000 = MB、たとえば 1Mbps なら 450MB です。

ツール・条件公式の速度1時間・片方向の計算値
Zoom 1対1・高品質600kbps(上り/下り)270MB
Zoom 1対1・720p1.2Mbps(上り/下り)540MB
Zoom 音声のみ60〜80kbps27〜36MB
Meet 720p最大 1.7Mbps(送信/受信)765MB
Meet 音声のみ100kbps45MB
Teams ビデオ1対1・最小150kbps67.5MB
Teams ビデオ1対1・推奨1,500kbps675MB
Teams 音声・推奨58kbps26MB

出典は、Zoom が システム要件(KB0060748)、Meet が Google Workspace 管理者ヘルプ「Meet の会議とライブ配信用にネットワークを準備する」の「小規模な組織や個人」の表、Teams が上の Microsoft Learn の表です。1対1の商談は上りと下りがほぼ対称なので、720p 前後で1時間なら、上下合わせて 1.1〜1.5GB を上限として見込むことになります。上位の「600MB」は、この片方向の値か、それより下の画質を指しています。

人数が増えると下りだけ増えます。Meet の「グループ ミーティング」は送信 250Kbps 以上・受信 最大 4.0Mbps、Teams の「会議」は最小 150/200・推奨 2,500/4,000(上り/下り)です。3人以上の商談は、自分が送る量は変わらず、受け取る量が人数分になります。

容量を使い切った後の2つの状態。速度が少し残っていれば映像は粗くても続き、ほとんど残らなければ映像が止まって音声だけが通る
容量を使い切った後の2つの状態。速度が少し残っていれば映像は粗くても続き、ほとんど残らなければ映像が止まって音声だけが通る

使い切ったあとの速度で、何が動くか

キャリアの公式ページに書かれている、容量超過後の速度です。

これを上の要件と並べます。

最大1Mbps なら、映像つきで続けられます。 Zoom の1対1「高品質」は 600kbps、Teams のビデオ最小は 150kbps、Meet のグループ送信は 250Kbps 以上で、どれも 1Mbps の中に収まります。ただし 720p の要件(Zoom 1.2Mbps・Meet 最大1.7Mbps・Teams 推奨1,500kbps)は超えるので、画質は落ちます。Meet のスマホアプリには「データ使用量を制限」の設定があり、公式ヘルプは「接続速度を自動的に 1 Mbps に下げられます」と書いています(Google Meet ヘルプ)。1Mbps は、Meet 自身が「これで会議はできる」としている速度です。

最大300kbps では、映像は最小要件の付近です。 Teams のビデオ最小 150kbps は収まり(公式は「最大 240p の解像度」)、Meet のグループ送信 250Kbps はぎりぎり、Zoom の 600kbps は超えます。音声は3社とも収まります。

最大128kbps では、映像は止まり、音声が残ります。 Teams のビデオ最小 150kbps を下回ります。音声は Zoom 60〜80kbps・Teams 推奨 58kbps が収まり、Meet の 100kbps は残り 28kbps です。ここに画面共有(Zoom で 50〜75kbps)を足すと、音声と取り合いになります。

商談前に見るのは残り容量でなく「いま制限中か」

ここからは提案で、効果は測っていません。

残りGBでなく、制限がかかっているかを見る。 上の表のとおり、1時間の商談で使うのは片方向 0.3〜0.8GB です。残りがそれより少ないなら、商談の途中で 1Mbps か 128kbps に落ちます。どちらに落ちるかは自分のプランで決まっていて、その値は上のキャリアのページに書かれています。

128kbps の回線なら、最初から音声だけで入る。 途中で映像が止まってから切り替えるより、入る前に「今日は回線の都合で音声だけです」と一言添えるほうが、相手の側で起きることが少なくなります。音声だけなら 128kbps でも公式要件の中です。

1Mbps の回線なら、画質が落ちることを自分だけ知っておく。 映像は続きますが 720p にはなりません。画質が悪いときの切り分けで書いたとおり、カメラのせいか回線のせいかを先に切り分けておくと、商談中に迷いません。

画面共有は、映像より先に音声を守る。 Teams は帯域が足りないと映像より音声を優先すると公式に書いています。画面共有を始めて相手の声が途切れたら、共有を止める側が先です。

最後に

私たちはMeetnect(ミートネクト)というオンライン商談ツールを作っています。ブラウザで動くので、回線の速さがどう効くかは、この記事に書いた3社と同じ物理の話です。回線が細くなったときにどう繋ぎ直すかは回線が不安定なときの対処に書きました。通信量の計算と、制限後に何が動くかは、どのツールでも上の表のとおりです。

商談しながら、議事録ができています

Meetnect はブラウザだけで動くオンライン商談ツールです。相手は登録不要、URLを開くだけ。通話中に文字起こしが進み、終わった時点で「誰が何を言ったか」まで残った議事録ができています。7日間、カード登録なしで試せます。