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商談のヒアリングの抜け漏れは、議事録の側で拾う

2026年9月14日

ヒアリングシートは商談中に開けない。代わりに、会社の観点を議事録のAIに1回だけ渡す
ヒアリングシートは商談中に開けない。代わりに、会社の観点を議事録のAIに1回だけ渡す

商談のヒアリングで聞き漏らしが出る。調べると、事前の仮説、質問の順序、フェーズ別のシートが出てきます。どれも正しいです。ただ、実務で詰まるのは、そのシートを商談中に開けないことと、終わった後に記憶で埋めてしまうことです。

この記事では、一般論を短く済ませたあと、自分たちが取った別のやり方を書きます。聞く側の手順を増やすのではなく、議事録を作る側に「会社が必ず拾う観点」を持たせました。 AIに渡している指示文をそのまま載せます。


この記事の内容
  1. 王道は、事前の仮説と質問の順序
  2. 詰まるのは、シートを商談中に開けないこと
  3. 観点を会社で1回だけ書いて、議事録の側に持たせた
  4. AIへの指示に、どう入れているか
  5. 長い商談では、区間ごとの抽出にも同じ観点を渡す
  6. 「聞いていない」とは書かせない
  7. Meetnectでは

王道は、事前の仮説と質問の順序

先に一般論です。上位に並ぶ記事は、聞き漏らしを「準備と順序」で防ぎます。顧客課題の仮説を1行で書いてから臨む、「本日の時間で特に整理したいことは何か」から入って現状・影響・優先度の順に確かめる、項目を7分類(顧客情報・課題仮説・現状・影響・決裁条件・選定基準・次回合意)に整理する(出典)。

議事録の側では、初回・提案・クロージングでテンプレートを分ける、BANT(予算・決裁者・ニーズ・導入時期)を漏れなく記録する、商談後24時間以内に清書して送る、が挙がります(出典)。

どれも間違っていません。一般論はここまでで足ります。

詰まるのは、シートを商談中に開けないこと

詰まる点は3つあります。

1つ目。シートを商談中に見られない。 画面の端に開いておけば済みそうですが、見ながら話すと会話が止まります。カンペの置き場所については別の記事に書きましたが、書く手を動かした瞬間に相手は「入力している」と分かります。結局、シートは閉じたまま商談が進みます。

2つ目。終わった後に埋めると、記憶で埋まる。 24時間以内に書くのは正しいです。ただ、速く書いても、聞いていないことは出てきません。出てくるのは「たぶんこう言っていた」で、これは聞いたことと区別がつきません。

3つ目。空欄が「聞いたが決まらなかった」のか「聞いていない」のか分からない。 上の出典の1つは、空欄を記入漏れではなく「次回質問」として扱うと書いていて、これは良い扱いです。ただ、その区別をつけるのも人の記憶です。1週間後に読み返したとき、空欄の理由は残っていません。

観点を会社で1回だけ書いて、議事録の側に持たせた

自分たちのツールでは、議事録を商談の音声から作ります(録画と独立して作る話・項目を4つに絞った話)。この議事録に、会社ごとの「重視するポイント」を渡せるようにしました。

管理画面に、自由記入の欄が1つあるだけです。欄の説明はこう書いてあります。

> 御社の商談で特に拾ってほしい観点を自由に記入してください。 > 例:予算・決裁者・導入時期・競合状況・お客様の懸念を必ず拾う。

800字まで。任意。会社単位で1つ。 一度書けば、その会社の誰の商談でも、同じ観点で議事録が作られます。担当者が商談ごとに入れ直すものではありません。担当者は質問の順序に集中して、拾う作業は議事録に任せる、という分け方です。

サーバー側では、議事録を作るときに会社の設定を読んで、要約のAIへの指示に足しています。要約の呼び出しごとに読むので、設定を変えれば次の商談から効きます。

AIへの指示に、どう入れているか

指示に足している文は、これです。コードにそのまま書いてある文字列で、末尾に会社が書いた観点がつながります。

> 【この会社が特に重視する観点】次を必ず拾って議事録に反映してください(文字起こしに該当が無ければ無理に書かない)

2つの文でできています。前半だけだと、AIは「必ず拾う」を守るために、文字起こしに無いことを埋めに行きます。予算の話が出ていない商談で、予算の欄を作ってしまう。だから後半で「該当が無ければ無理に書かない」と釘を刺しています。

これは、標準の項目に対して「(今回の会話からは読み取れませんでした)」と書かせているのと同じ考えです。議事録の敵は空欄ではなく、言っていないことが入った欄です。

もう1つ。観点は、見出しになるわけではありません。議事録の見出しは概要・決定事項・ToDo・要点論点の4つのままで、観点に当たる発言はその中に入ります。見出しを増やすほど埋まらない欄が増える、という前の記事の判断をここでも守っています。

14,000字を超える商談は区間ごとに要点を抜き、統合する。観点は区間の抽出にも渡す
14,000字を超える商談は区間ごとに要点を抜き、統合する。観点は区間の抽出にも渡す

長い商談では、区間ごとの抽出にも同じ観点を渡す

2時間の商談だと、文字起こしが14,000字を超えます。超えたら一度に渡さず、区間に割って要点を抜き、最後に統合します(仕組みは前の記事)。

ここで気をつけたのは、区間の抽出にも観点を渡すことです。区間の抽出は「決定事項・ToDo・重要な発言・論点」だけを抜く工程なので、ここで観点を渡さないと、終盤に出た決裁者の話を「論点」に含めるかどうかが、区間の抽出の判断任せになります。統合の段階で観点を渡しても、材料に残っていなければ拾えません。

区間の抽出に渡す観点は、先頭の200字です。区間ごとの指示を短く保つためで、統合のときは800字全部を渡します。だから観点は、大事なものから先に、短く書くのが向いています。上の例文(予算・決裁者・導入時期・競合状況・お客様の懸念)で30字ほどです。

区間の抽出には、もう1つ指示があります。「該当が無い項目は『なし』と書く」。統合の指示は「メモに書かれていないことは創作しない」なので、区間ごとに「なし」が並んだ項目は、統合の材料にも無いままです。

「聞いていない」とは書かせない

ここまでで、聞き漏らしたものは議事録に出てきません。出てこないだけで、「予算は聞いていません」と書かせる処理は入れていません。

理由は、文字起こしに無いことを「聞いていない」と断定させるのも、無い事実を作ることに近いからです。相手が別の言い方で答えている、文字起こしが一部を落としている(日本語の文字起こしが崩れる条件)。どちらの場合も、「聞いていない」は間違いになります。

だから、突き合わせは人がします。観点の数は自分たちで決めたので、数えられます。議事録を開いて、観点のうち出てこないものが次回の質問です。上の出典が言う「空欄は次回質問として扱う」を、シートではなく議事録の上でやる、という形です。

指示は指示なので、機械の検査のように毎回同じ結果になるとは言えません。ただ、拾う対象を会社で1回決めてある状態と、担当者の記憶に任せる状態では、突き合わせの手間が違います。前者は、出てこないものを数えれば終わります。

Meetnectでは

Meetnect はブラウザだけで動くオンライン商談ツールです。この記事の「重視するポイント」の欄、800字と200字、指示文は、実際に動いているコードの中身をそのまま書きました。議事録は商談中に音声から作られ、会社が書いた観点で拾われます。設定は管理画面の「議事録の設定」にあります。

商談しながら、議事録ができています

Meetnect はブラウザだけで動くオンライン商談ツールです。相手は登録不要、URLを開くだけ。通話中に文字起こしが進み、終わった時点で「誰が何を言ったか」まで残った議事録ができています。7日間、カード登録なしで試せます。