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web会議で共有したファイルは、いつまで見られるのか

2026年10月10日

商談中にチャットでファイルを送った。あれは相手の側で、いつまで開けるのか。調べると出てくるのは送り方と保存場所の話ばかりで、日数を書いたページがほとんどありません。各社の公式を当たって分かったのは、日数が会議にもチャットにも付いていないことでした。数え始めは送った日で、同じファイルを送り直すと振り出しに戻り、終わらせる操作は送った本人の手元にありません。出典はすべて本文に置きます。

オフィスの机でノートPCに向かう人を後ろから見た図。画面のチャット欄から1枚の書類が飛び出し、青い矢印をたどって隣のノートPCの画面に届いている。手前の机の上では砂時計が横に倒れたままで砂が動いていない。奥に立っている別の人の机の上だけ、砂時計が立って砂を落としている
オフィスの机でノートPCに向かう人を後ろから見た図。画面のチャット欄から1枚の書類が飛び出し、青い矢印をたどって隣のノートPCの画面に届いている。手前の机の上では砂時計が横に倒れたままで砂が動いていない。奥に立っている別の人の机の上だけ、砂時計が立って砂を落としている
この記事の内容
  1. 上位が答えているのは「送り方」まで
  2. チャットの決まりは、ファイルには掛かっていません
  3. 数え始めは送った日。送り直すと振り出しに戻ります
  4. Google は「ファイルを送る」が2通りあって、寿命の決め方が違います
  5. Zoom:相手が落としたファイルには、時計が付きません
  6. 自分が会社を離れても、ファイルは開けます
  7. 確かめられなかったこと
  8. 送る前に決めておく3つ
  9. Meetnect は資料をファイルとして渡していません
  10. 参考

上位が答えているのは「送り方」まで

「web会議 共有したファイル いつまで見られる」で検索して出てくるのは、画面共有のやり方、資料共有をスマートにする工夫、ファイルの保存場所を探す手順です。保存場所を書いたページは多く、いつまで開けるかを数字で書いたページは出てきませんでした。

場所の話はこのブログでも別に書いています。チャットで送ったファイルが相手の手元に置かれるわけではないことはチャットで送ったファイルを相手が開けないに、逆に相手から送ってもらえない側は相手からファイルを送ってもらえないに書きました。この記事はその続きで、置かれた先に、どんな時計が付いているかだけを見ます。

チャットの決まりは、ファイルには掛かっていません

Microsoft の管理者向けの説明に、はっきり書かれています。

> Emails and files that you use with Teams aren't included in retention policies for Teams.

Teams で使うメールとファイルは、Teams の保持ポリシーに入っていない、という意味です。では何が要るのか。同じ段落にこう続きます。

> However, for files and Teams meeting recordings and transcripts from user chats, you need a retention policy that includes the organizer's OneDrive account as the location.

チャットから送られたファイルには、開催者の OneDrive を対象にした別のポリシーが要る(Microsoft Learn)。つまり、会議のチャットの寿命と、そこに貼られたファイルの寿命は、別の画面で別々に決まっています。

同じページには、チャット側の期限が来たときに何が起きるかも書かれています。

> the corresponding message in the Teams client app is deleted for all users in the conversation

続けて、それが意外に見える理由として「some of these users can be from another organization, have a retention policy with a longer retention period, or no retention policy assigned to them」と並べています。別の組織の相手の画面からも、メッセージは消えます。 一方でファイルはポリシーの対象が違うので、消えたメッセージが指していたファイルは残っていることになります。

逆向きも起きます。無料版の Teams の説明では、共有したファイルが使える期間がこう書かれています。

> These item types are available until they are deleted, the user leaves the conversation, or permission are updated

日数ではありません。消すか、会話から抜けるか、アクセスの設定を変えるかの3つで終わる、という書き方です。そのうえで同じページにこうあります。

> When you leave a chat, group chat, or community, other participants and members still have access to shared and uploaded files.

自分が会話から抜けても、相手のアクセスは続きます(Microsoft サポート)。チャットの画面を閉じることと、ファイルを引っ込めることは、別の操作です。

数え始めは送った日。送り直すと振り出しに戻ります

日数の起点も、会議の日ではありません。Zoom のチャット保存の説明にはこうあります。

> The timeframe for the retention period is based on when the message is sent.

既定は2年で、有料アカウントの管理者が1日から10年まで変えられる、とも書かれています(Zoom サポート)。商談の2週間後に「さっきの資料です」と送り直したなら、その時計はそこから走り始めます。

Microsoft 側には、もう一段ややこしい作りがあります。チャットに貼ったファイルは「cloud attachments」として扱われ、保持の対象になるのは元のファイルではなくその時点のコピーです。

> When you automatically apply a retention label to cloud attachments, the retention label is applied to a copy of the shared file, which is stored in the Preservation Hold library.

そのコピーがいつできるかも書かれています。「The copy that's stored in the Preservation Hold library is typically created within an hour from the cloud attachment being shared.」送ってから1時間ほどで、自分の組織の中に控えが1部できます。相手に見えているものとは別の場所にあって、別の時計で動きます。

そしてここが効きます。

> If the original file is shared again but not modified, the labeled date of the copy in the Preservation Hold library is updated. This action resets the start of the retention period

中身を変えずに同じファイルをもう一度送るだけで、控えの日付が更新され、期間の数え始めが戻ります(Microsoft Learn)。「前に送ったものをもう一度貼っておきますね」は、記録の側では新しい1部です。

左右に分かれた図。左はノートPCの画面に1枚の書類が映っていて、その横の砂時計は砂が半分ほど落ちている。右は同じ書類が南京錠のかかった金属の棚に収まっていて、その横にもう1つ砂時計が立っている。中央では指が青い送信ボタンを押していて、そこから右へ伸びた矢印が右の砂時計の上に回り込み、砂が上に戻っている
左右に分かれた図。左はノートPCの画面に1枚の書類が映っていて、その横の砂時計は砂が半分ほど落ちている。右は同じ書類が南京錠のかかった金属の棚に収まっていて、その横にもう1つ砂時計が立っている。中央では指が青い送信ボタンを押していて、そこから右へ伸びた矢印が右の砂時計の上に回り込み、砂が上に戻っている

Google は「ファイルを送る」が2通りあって、寿命の決め方が違います

Google Chat は、同じ「ファイルを送る」操作が中で2つに分かれています。Vault のヘルプが、保持と検索の対象になるかどうかで書き分けています。

> リンクで共有されているファイルは、検索も書き出しもできません。ユーザーがドライブ内に保存されているファイルを Chat のメッセージで共有すると、メッセージにはファイルのコピーが添付されるのではなく、リンクが挿入されます。

一方、端末から上げた添付はこう書かれています。「メッセージに添付されたファイルは、検索およびエクスポートできます。Chat メッセージに添付されたファイルについては、Vault は検索のためにそのファイル名をインデックスに登録します。」(Google Vault ヘルプ)

ドライブから選ぶと、送られているのはリンクです。 会話の決まりが何年であっても、そのファイル自体はドライブ側の決まりで生きます。端末から上げると、ファイルは会話の中に入り、会話の決まりに乗ります。送るときに選んでいるのは置き場所ではなく、どちらの時計に乗せるかです。ドライブ側に期限を付ける方法とその上限は共有リンクは何日で切れるかに書きました。

Zoom:相手が落としたファイルには、時計が付きません

Zoom は、メッセージとファイルの関係を1文で書いています。

> Files are handled as part of the message. If the message expires, the link to the file will be locally deleted too, but if the user has downloaded the file, the local file will remain on the local device.

メッセージの期限が来ればファイルへのリンクも消える。ただし相手が落としていれば、その端末のファイルは残る(Zoom サポート)。

同じページには、端末側の保存期間の既定も書かれています。「By default, this setting is disabled, meaning messages are never deleted.」端末に残る分は、既定では消えません。 クラウド側に10年の上限があっても、机の上のパソコンにはその上限が及びません。落ちたものは数えない、という線引きは資料を相手にダウンロードさせない設定はどこまで効くかに書いたものと同じです。

自分が会社を離れても、ファイルは開けます

最後にもう1つ、時計の持ち主がはっきり出ている記述があります。Microsoft の保持の説明の「When a user leaves the organization」の節です。

> If a user leaves your organization, any files that are subject to a retention policy or has a retention label will remain subject to the retention settings for the duration of the retention period specified in the policy or label. During that time, all sharing access continues to work and the content continues to be discoverable by Content Search and eDiscovery.

その期間、共有のアクセスは動き続けます。 そして終わり方はこうです。

> When the retention period expires and the retention settings included a delete action, content moves into the Site Collection Recycle Bin and isn't accessible to anyone except the admin.

最後に行き着く先は、管理者しか開けない場所です。送った本人が会社にいるかどうかは関係ありません。担当が替わったあとに記録がどう引き継がれるかは担当者が辞めたときの商談記録に書きました。

確かめられなかったこと

送る前に決めておく3つ

  1. 残したいものと、残したくないものを、同じ送り方でまとめない。 ドライブから選ぶとリンク、端末から上げると添付で、乗る時計が違います。見積のように後から取り消したいものは、場所を分けておくほうが早いです
  2. 「もう一度貼る」をしない。 中身が同じなら、相手にはリンクを言い直すだけにします。送り直すと記録側の数え始めが戻り、残る期間が延びます
  3. 終わらせる操作が自分の手元にあるかを、送る前に確かめる。 日数で消える作りのものは、止める画面が管理者の側にあります。商談の途中で引っ込める可能性があるなら、自分で消せる置き場所から渡します

Meetnect は資料をファイルとして渡していません

Meetnect で資料を出すと、相手に届くのは映像です。public/room.html:1901 で資料を描いたキャンバスから captureStream を取り、それを通話の映像トラックとして送る作りにしました。相手の側にファイルは1つも置かれないので、通話が切れればその資料は相手の画面から無くなります。 置いてある側はこちらで、schema.sql:18-32 の materials テーブルは13列あって、期限にあたる列はありません。消えるのは誰かが消したときだけで、日数で動く時計を1本も持っていません。渡す寿命を商談と同じにして、置く寿命は人が決める、という分け方です。

参考

商談しながら、議事録ができています

Meetnect はブラウザだけで動くオンライン商談ツールです。相手は登録不要、URLを開くだけ。通話中に文字起こしが進み、終わった時点で「誰が何を言ったか」まで残った議事録ができています。7日間、カード登録なしで試せます。